【東京】米軍嘉手納基地などの周辺で検出されたPFOSなど有機フッ素化合物の厚生労働省の水道水質基準案について、小泉昭夫京都大学名誉教授(環境衛生学)が24日、東京都羽村市内で会見し、より厳しい基準にすべきだと提言した。厚労省案の1リットル当たり50ナノグラムを10ナノグラムにするよう求めている。基地由来の疑いも指摘し、低出生体重児との関連から胎児の影響調査や、発がん性の指摘を受けて政府のがん登録データを用いた検証も必要だと指摘した。
会見は、小泉名誉教授を招いて開催された米軍横田基地周辺の水汚染を知る学習会実行委員会の主催。横田基地周辺の井戸でもPFOSなどが高濃度で検出されている。
実行委のメンバーは汚染が基地由来のものとみて、環境関連の市民団体などとも連携して国に調査拡大を求めていく。
小泉氏は、沖縄での水道水のPFOS汚染地域で低出生体重児の割合が高くなっているデータを示し、「直接PFOSと関係するかはまだ分からないが、このデータを無視して国が基準を決めるのはおかしい」と指摘。米国基準の援用ではなく、既に検出された沖縄と大阪の汚染実態も踏まえて議論すべきだと述べた。