内戦で7万5千人が亡くなったエルサルバトル 銃撃に遭ったコーヒーハンターが語る平和への道筋とは…


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エルサルバドルの現状や内戦によってもたらされた影響について語る川島良彰さん=24日、那覇市の県立博物館・美術館

 JICA沖縄は24日、中米エルサルバドル共和国の現状や課題などを考えるセミナーを県立博物館・美術館で開いた。同国は1980年から92年まで続いた内戦の結果、市民を含む7万5千人が亡くなったとされる。セミナーでは平和協力として沖縄ができることや、コーヒーの話を通して平和について考えた。

 「コーヒーハンター」として知られる川島良彰さんは、75年に同国のコーヒー研究所へ出入りしていた際、銃撃に遭った経験などを語った。その上で、世界3位の生産国だった同国が内戦によってコーヒー生産量が落ち込み、その影響がいまだに続いていることなどを指摘した。

 JICAのエルサルバドル前事務所長の藤城一雄さんは、クイズを通して同国の食べ物や、勤勉な国民気質などを分かりやすく伝えた。その上で内戦の結果、3分の1が米国などに移住しているいびつな構造が生まれていることを語った。

 同博物館の園原謙主任学芸員は同国の平和に関する資料館などを視察した経験を語った。「軍隊の視点」で展示されている状況を述べた上で「オーラルヒストリー(口述記録)の収集が課題だ」との考えを示した。NPO法人沖縄平和協力センターの仲泊和枝さんはカンボジアと平和教育普及プロジェクトを進めた結果などについて語った。