カヤックを室内でスイスイ 5G活用で体験型観光 ドコモとH2L実証試験公開


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
カヤックを模した機器を使い、約50キロ離れた現場のカヤックを動かす関係者=26日、那覇市銘苅のドコモ5GオープンラボOKINAWA

 NTTドコモ(東京都、吉沢和弘社長)とVR(仮想現実)を用いた観光事業などに取り組むH2L(東京都、岩崎健一郎社長)は26日、那覇市銘苅のドコモ5GオープンラボOKINAWAで、第5世代(5G)移動通信システムを活用した体験型観光の実証試験を公開した。同ラボに設置した専用の機器を使い、約50キロ離れた沖縄工業高等専門学校(名護市辺野古)のプールに浮かべたカヤックを操縦した。

 実証ではH2Lが開発した「ボディーシェアリング技術」を活用した。ラボ内にあるカヤックを模した機器でパドルを動かすと、沖縄高専にあるカヤックが連動して動く仕組みになっている。機器の椅子は水面の揺れに対応して振動し、パドルをこぐと水の抵抗を感じられる。VRのゴーグルでカヤックからの視界を体感でき、離れた場所にいながら実際にカヤックに乗っているような体験ができる。

 ドコモとH2Lはこの技術を活用し、県外にいながら沖縄のカヤックツアーを体験できるなど、新たな観光産業の創出につなげる。障がい者や高齢者など、現地に出向くことが難しい人でもさまざまな体験ができる。

 ドコモの担当者は「今回はカヤック操縦だが、観光分野だけでなく工事用重機や自動車の遠隔操作など、いろんな分野に応用できる。試験を重ね、5Gを活用した新しい取り組みを進めたい」と述べた。