在宅勤務、子連れ出勤も 社員の休暇対応に苦慮する企業 新型コロナ臨時休校


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外部から社内ネットワークに接続できる機器を取り付けた、在宅勤務の対応が可能なパソコンを操作する沖縄セルラー電話の担当者=28日、那覇市の沖縄セルラー電話

 政府が小中高校の臨時休校を要請したことで、子どもを持つ社員の休暇対応をどうするかなど県内企業にも困惑や不安が広がっている。ただ、イベント自粛や観光客減少で企業活動が停滞していることもあり、社員の感染防止対策として休暇取得や在宅勤務を積極的に進める動きもある。

 沖縄セルラー電話(那覇市)は、出社しなくても仕事ができるリモートワーク(在宅勤務)を週明けから取り入れる準備を進めている。ノートパソコンを社内のネットワークに接続できるようシステムを整え、遠隔での業務を可能にする。子どもの面倒を見るため自宅で仕事をしたいと希望した社員15人を、随時在宅勤務に切り替えていく。

 在宅勤務を予定する男性社員(47)は「小学3年と1年の子がいて共働きなため、交互に休みを取るなどの対応を考えていた。業務を止めずにでき、とてもありがたい」と話した。

 自動車情報提供などのプロトソリューション(宜野湾市)は一部の部署で実施していた在宅勤務を、全社員を対象に推奨することを決めた。出社の必要がある場合は時差出勤を認め、感染リスクが高い混雑を避ける。担当者は「社員の健康を第一に考えた。働き方改革に向けて一つのチャレンジになる」と話した。

 輸出入貨物輸送の沖縄トータルロジスティクス(うるま市)の森田幸二郎社長は「選択肢を増やすことで社員の精神的な負担を減らしたい」と話し、子ども連れ出勤を認めることを社員に伝えた。琉球銀行(那覇市)は「行員が休みやすい環境の整備を重視した」として、有給休暇が減らない「特別休暇」として扱うことを決めた。

 一方で政府の休校要請の対応に対し、りゅうぎん総合研究所の照屋保社長は「仕事を休まなくてはいけない人が多く出る。収入の減少が消費の下押しにつながりかねない」と経済活動への影響を懸念した。