豚熱ワクチンは3月6日から開始 沖縄本島で23万頭、初回接種は無料


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 県内で34年ぶりに感染が確認された豚熱(CSF)の拡大防止のため、県は3月6日からワクチン接種を実施する。接種対象は沖縄本島全域の養豚場230戸で、接種頭数は23万8508頭に上る。ワクチン接種は農家が1頭当たり160円の手数料を支払う必要があるが、初回の接種については農家の手数料を免除して公費で負担する。

 豚熱ワクチンは、発生農場から遠い本島の北端と南端の両側から接種を始める。初回接種の期間は2カ月を計画し、5月上旬の終了を見込んでいる。

 北部は6日に国頭村の養豚場で接種を実施し、市町村ごとに進めていく。南部は3月2週目から糸満市を起点に接種を始めることを検討している。

 県は当初、南部での接種も3月2日の開始を予定していた。だが、今月25日にうるま市で県内6例目の豚熱が発生したことを受けて、接種を行う家畜防疫員(獣医師)が防疫措置に当たるなど人手が足りず、接種時期を調整した。

 ワクチン接種は獣医師と補助員の2人一組のチームをつくり、1組で1日500頭に接種する計画だ。1日に最大で20組が動く。種豚となる「繁殖豚」は初回接種以降、半年後に1回打ち、その後は1年置きに接種する。肉豚として出荷される「肥育豚」は1回のみ。

 ワクチン接種は緊急的で公益性があるという知事判断で、初回は手数料の全額免除を決めた。2回目以降は農家負担で接種する。

 県は28日、6例目の養豚場の豚について、国の農研機構動物衛生研究部門で遺伝子解析した結果、国内で発生している豚熱ウイルスと遺伝子型が同一だったと発表した。