東京都やトーキョーアーツアンドスペースなどが主催する2020―22年度の「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」に県出身の美術家・映像作家の山城知佳子さんが輝いた。同賞は2回目で、県出身者の受賞は初めて。
海外での展開も含め、今後の飛躍と潜在的な力が期待できる国内の中堅アーティストを対象にした現代美術の賞。賞金300万円のほか、海外での活動支援、東京都現代美術館での展覧会やモノグラフ(研究を記した本や論文)の作成など2年間にわたって継続的な支援が行われる。
昨年7、8月に公募し、選考委員6人が議論し候補者を決定。
事前調査や直接対話による審査などを経て山城さんとアーティストの藤井光さんが選ばれた。
神谷幸江選考委員長は「沖縄の歴史、現状を自身の身体を媒介に探求し表現を続けてきた。世界を地続きの場所として捉える新たな試みに踏み出している」などと高く評価した。
山城さんは「次のステップを支援したいとの評価は大変ありがたい」と喜んだ。その上で「沖縄を拠点に、世界中の人々にも自分たちの物語だと思ってもらえる強度を持った作品を作っていきたい」と意気込んだ。