ガイド育成し環境保全 国頭村観光協 遺産登録へ講演会


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講演会に聞き入る参加者たち=2月20日、国頭村観光物産センター・松御殿

 【国頭】国頭村観光協会(金城茂会長)は2月20日、会員を対象に世界自然遺産登録を見据えた「森林ガイド制度」および「観光危機管理計画」をテーマにした講演会を村観光物産センター・松御殿で開いた。また会員からの情報提供、意見交換会も開かれた。

 世界自然遺産推進室担当者・馬場勝巳さんは、ガイド制度における「フィールドの利用」「一般の利用」について講演した。馬場さんは国立公園・世界自然遺産登録のブランド化によって、無秩序な利用増加などによる自然環境への悪影響を懸念。健全な質の高い体験を通じ利用者の意識醸成を図り、持続可能な利用を確保するための一定の知識・理解を持つガイドの推奨・育成・普及啓発、ガイドの登録・認定制度、フィールドの利用登録制度、ツアー利用ルールなどの大切さについて説明した。やんばる3村世界自然遺産推進協議会発行の「やんばる3村ルール&マップ」などが配布された。

 沖縄コンベンションビューローの玉城信治課長は、県の観光危機管理について講演した。2015年3月、観光産業に影響を与えるさまざまな危機への対応策として策定された「沖縄県観光危機管理基本計画」概要版を配布。東日本大震災や県内で発生した麻疹(はしか)流行、アメリカ同時多発テロなどによる災害や危機の観光への影響を報告した。既存計画「地域防災計画等」だけではカバーできないことから「観光危機管理の必要性」を訴えた。

 企画商工観光課の上原大輔主任は「国頭村観光危機初動マニュアル」「危機の際の連絡体制」「3月の防災訓練」について報告した。

 国頭村観光協会の崎濱秀彰さんは一般客から「国頭村の山を散策したい」など、協会への問い合わせが増えていることに触れ、会員への問い合わせも増加が予想されることから、ガイド利用について共通した認識で対応していきたいと報告した。
 (新城高仁通信員)