「エイサー」って何? 沖縄の伝統芸能を学ぶ講座が人気 延べ270人が受講


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全15回の連続講座を開催した「エイサー大学」=沖縄市上地のコザ・ミュージックタウン内にあるエイサー会館

 【沖縄】沖縄が誇る伝統芸能・エイサーの情報発信拠点施設としてコザ・ミュージックタウン内に2年前、オープンした「エイサー会館」(金城良昭館長)。その重点事業として取り組んでいる講座「エイサー大学」が注目を集めている。

 エイサー大学の開催は2年連続。初年度は2日間のみの開催で5講座に101人が受講した。さらに19年度は内容を充実、昨年6月から今年2月まで全15回の連続講座を開いた。

 講座はエイサーの起源と近代の展開、その分類と地域の特徴、旧盆行事、モーアシビーエイサーの魅力、チョンダラーの足跡、戦後の社会変動との関わり、創作エイサー、観光資源としての活用、青年会活動など多岐にわたる。講師陣も県立芸大や沖国大、各団体などさまざまな分野の研究者が務めた。

 受講者は延べ270人を超えた。市外からの関心も高く、県外出身者も約10人参加。特にエイサー演舞の熱気に応える指笛体験講座は大好評だ。沖縄市観光物産振興協会の認定ガイドとして活躍する玻座真善高さん(69)=沖縄市、狩俣房枝さん(67)=同=は「エイサーの魅力を楽しく、また深堀りすることができた。県外からの修学旅行生らの案内に役立てたい」と今後の抱負を語った。

 本土出身で、1年前に琉大に赴任してきた企画調整役の前島修さん(42)は若いころエイサーを見学し、躍動感あふれる集団演舞の迫力にどっぷりはまった一人。エイサー検定の上級に合格し、住まいも同市内に構える。「ウチナーンチュをとりこにするエイサー。素晴らしい伝統芸能を発信するお手伝いをしていきたい」と、次年度の講座に期待を膨らませた。

 県内最大のイベントとして今年で65回を数える沖縄全島エイサーまつりを主催する同市は、07年に「エイサーのまち」を宣言。これを受けて開設されたエイサー会館は今月22日から月末まで2周年祭を開く。

 金城館長は「エイサーの本場として講座を一層充実させ、市民がエイサーを誇りとする機運を盛り上げていきたい。さらにエイサーを体験し、楽しむ、親しむユニークな拠点施設を広く国内にアピールしていきたい」と意欲を語った。