ポップ感ある初のアルバム ラッパーRude-α 曲に込められたメッセージとは…


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ファーストアルバム「23」をリリースしたRude-α=2日、那覇市泉崎の琉球新報社(喜瀨守昭撮影)

 沖縄市出身のラッパーRude―α(ルードアルファ)は4日に初のアルバム「23」をリリースした。かわいらしいリリック(歌詞)やポップ感のある曲など、ヒップホップのイメージを覆すようなサウンドが並んだ。「ストリートからお茶の間まで誰もがすんなりと耳に入ってくる楽曲を収めた」と語っている。

 アルバムは新曲7曲を含む14曲が収録されている。1曲目は米・シカゴで生まれた音楽のジャンル「ジューク」に寄せたサウンドで爽やかな恋をつづる「アイスクリーム」だ。「音の乗り、雰囲気、テーマ性など誰でも分かるような曲を作りたいと思って作った」

 「ハレルヤ」という曲には「ヘイト」や「No war」といった言葉が並べられ、現代社会に対するメッセージが込められている。「今はSNSを通じて相手に罵声を浴びせたり、監視したりする世の中。もっと優しい気持ちで、人と一緒に笑ったり、涙を流したりすることが大切なんじゃないか」と語る。

 メッセージ性を込めた曲がつくられる背景には出身地の沖縄で受けた影響も大きい。「沖縄戦を体験したおばあちゃんやおじいちゃんのそばで育った。沖縄出身だからこそ自然と伝えたいメッセージが曲に反映されるのだと思う」

 アルバムにはポップな作品が多くある。「オレンジレンジやHYのように、いつの時代になってもみんなの心に残る曲を作ってみたかった。実はポップな作品を作るのはなかなか難しい。今も模索しながら作っている」

 「いつか日本武道館で歌うこと」を目標に掲げるRude―α。「夢を見せてその人の原動力になるようなアーティストになりたい」と前を見据えた。

 アルバム「23」は税込みで3000円。ブルーレイディスク付きの初回生産限定盤は税込み3750円。4月25、26の両日にはアルバムリリースツアー沖縄公演が那覇市の桜坂セントラルで開かれる。チケットはすでに完売している。
 (金城実倫)