市長が異例な退席、議会が空転に 野党の〝疑惑〟列挙に反発


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 【石垣】9日の石垣市議会(平良秀之議長)一般質問で、野党市議が市政の問題として挙げた事項に中山義隆市長が反発、異例の退席をし、議会は空転した。与党・自民会派も市長に同調して退席、同市議の一般質問は13日に持ち越された。市長は発言の撤回と謝罪を求めているが、野党側は応じない構えだ。

 野党の大濱明彦氏は市長の政治姿勢を問う質問の中で、市長就任後の問題として「施政方針盗用問題、不正出張(疑惑)とマンション購入疑惑、新火葬場建設問題、八重山教科書裁判、職務強要裁判、住民投票裁判」と列挙し「トラブルが多い市政だ」と指摘した。

 中山市長は列挙されたうち、不正出張疑惑とマンション購入疑惑、八重山教科書と職務強要裁判の4カ所について「疑惑と付ければ何を言っても良いのか」「私に非がある問題ではない」などと反発。約30分間の空転後に大濱氏は議長の勧めに応じて「不正出張とマンション購入疑惑」の事項を休憩中に削除した。それを受けて平良議長は議事再開を告げたが、その後すぐに中山市長が議場を立ち去り、自民も退席。さらに空転した後、結局、この日の大濱氏の質問は見送られた。

 中山市長は議会後の取材に「名誉毀損(きそん)にも当たるものだ。(残りの2カ所の)取り消しや謝罪がなければ大濱氏と一般質問で議論できない」と語気を強めた。

 大濱氏は「都合の悪い発言には退席するならば議会ではない。耳の痛いことも謙虚に受け止めてほしい」と批判した。野党側は議事再開通告後に市長が退席したことから、議長の議事進行権も侵害していると指摘した。