残さ管理、69全農場が基準満たす 豚熱感染要因で沖縄県が調査


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 【東京】河野義博農林水産政務官は11日の衆院農林水産委員会で、県内での豚熱(CSF、豚コレラ)発生に関連し、飼料に食品残さ(残飯)を利用している全69農場に対し県が調査、指導した結果、今月7日までに全農場が残飯利用に関する飼養衛生管理基準を満たしたと明らかにした。

 県内での豚熱発生は、給餌される残飯の非加熱が原因として指摘されていた。

 農水省によると、県は2月上旬から中旬にかけて残飯を利用する69農場に立ち入り調査をした。その結果、2割程度で残飯を加熱していなかったり温度が基準に満たなかったりした。

 県はそうした農家に対して残飯を加熱したり、配合飼料に切り替えたりするよう指導し、今月7日までに全農場が基準を満たしたとした。

 一方、質問した屋良朝博衆院議員(国民民主)は、DNA解析の結果、ウイルスが国内の発生地から侵入したとみられていることを指摘。遠隔地で感染が出るのを抑える観点からも「汚染が疑われる肉が流通ルートに乗らない体制の構築が必要だ」と訴えた。江藤拓農相は「流通経路に乗って、残さという形で豚の口に入らない体制は検討すべきだと考える」と応じた。

 また、江藤農相は種の保存のためにアグーを久米島に隔離する費用について、自身の判断で補助率を通常の2分の1から10割に引き上げて対応していると説明。「豚熱を経験した沖縄が復活する過程で、何としても沖縄の強みであるアグーを残していただきたい」と思いを語った。