留学先に戻れず自宅待機… ビザの延長もなく 新型コロナ感染拡大で困惑する学生 海外交流事業も中止に


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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、県内市町村などが実施する海外交流事業も延期や中止などの対応を迫られている。宜野湾市では中国から一時帰国した留学生が再渡航できず自宅待機を強いられ、来年度の募集も見通せない。

 宜野湾市は、市が実行委員会のメンバーとなっている「琉球海炎祭」(4月11日予定)を開催するかどうか3月下旬に決める。昨年は台湾から約4千人が来場したが、今年はキャンセルが出始めている。香港、中国からもそれぞれ100人ほどが来場していたが、担当者は「キャンセルの恐れもある」と話した。

 同市の海外留学生派遣事業で中国福建省厦門(アモイ)市に派遣されていた留学生は、春節の時期に帰沖していたが、留学先の省立厦門理工学院側から休校を通知された。現在は自宅待機中だ。ビザは留学ビザで延長などはない。

 例年4~5月に次の留学生を募集している。市の担当者は「先が見通せず、スケジュールなどを見直さないといけないだろう」と話している。

 那覇市は5月に市内の3小中学校の児童生徒15人を中国福州市に派遣する交流事業を予定している。延期するかどうか3月中に判断する。担当者は「5月までに(渡航自粛の)レベルが下がる見通しが立っていないため、厳しいのではないか」と話した。

 沖縄市では第19回沖縄市長杯高校バスケットボールおきなわカップが中止となり、県外の5チーム、台湾の1チームがキャンセルになった。3月に予定されていたスポーツ合宿などにも中止が出ている。嘉手納町は2月27日、海外移住者子弟研修生の報告会と送別会を規模を縮小して開いた。