春季高校野球は25日に開幕 3月中は無観客 監督は開催判断を歓迎


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県高校野球連盟(岩﨑勝久会長)は13日、緊急理事会を開き、新型コロナウイルスの影響で開幕を延期していた第67回県春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)を25日から開催すると決定した。3月中は感染拡大防止のため、無観客で実施。4月以降の日程で無観客を続行するかについては状況を見ながら判断する。期間中に中止を判断する可能性もあるとしている。

 2月以降、県内で新たな感染者が確認されていないことや各校で臨時休校短縮の動きがあったことなどから開催を決めた。防止対策としてグラウンド整備などを行う補助員は置かず、必要最小限の人員で運営する。37・5度以上の発熱がある選手や関係者は会場への入場を禁止する。

 大会は当初、20日開幕の予定だったが、各校が臨時休校で十分な練習が行えないことなどを考慮、25日以降への延期を決めていた。

 大会は25日~4月12日まで。投手の球数制限や申告敬遠が導入される。優勝校は第146回九州大会(5月16~22日、大分県)への出場権を得る。九州大会は4月開幕予定だったが、約1カ月間の延期が8日に決定。九州地区連盟は今後も引き続き状況を注視し、九州大会の開催について対応していくとしている。

関係者、安堵感も自粛ムードの中の開催に複雑な思い

 新型コロナウイルスの影響で延期されていた高校野球春季大会の開幕日が決定した。各校の監督らには開催されることへの安堵(あんど)が広がる一方、「なぜ野球だけはやるのか、といった意見も耳に入ってくる」との声もある。自粛ムードの中、感染状況を見極め、十分な対策を取ることを条件に開催を判断したことを評価する指導者もいた。

 ほとんどの県立高は16日から再開となる。県高野連の岩﨑会長は「県内と県外では感染状況は大きく異なる。過度に自粛してしまうこともいかがなものだろうか」と感染症対策に万全を期して臨むと説明する。県内の感染状況によっては、改めて大会続行を判断するとした上で「県代表を決める大会。(最終日まで)できるよう最大限努めていきたい」とする。

 春季大会は、冬の練習の成果を確認できる機会と位置づけ、各校が開幕を心待ちにしている。ことしは日程的には8日から対外試合が解禁となったが、新型コロナの影響で試合ができていない学校が多い。部員が少ない高校の監督は「紅白戦もできない状況だった。(実施は)良かった」と話す。

 選抜大会が中止となり、他競技では県内でも大会中止や延期が相次ぐ。関係者の一人は「予定していた期間との関係もあり判断はそれぞれだろう。収束の気配もある中で、何が何でも自粛というのも問題ではないか」と開催判断を歓迎した。

 甲子園出場経験もある指導者は「賛否両論あり、難しい判断だっただろう」と述べ、感染防止の呼びかけなどを順守する考え。「健康管理に全力を尽くす。予断を許さず、球児の安全管理の徹底を学ぶ機会にもしてほしい」と求めた。