少年院の日常を切り取る 職員で写真家の永山直樹さんが展示会 移転前の最後の1年を映し出す


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沖縄市山内にあった沖縄少年院の最後の1年間の様子を撮影した永山直樹さん=17日午前、那覇市久茂地の那覇市民ギャラリー

 2019年7月に糸満市真栄平に新築移転し、現在は取り壊されている沖縄市山内の沖縄少年院で、最後の1年間の様子を職員が撮った写真の展示会「旅立ちました」が17日、那覇市の市民ギャラリーで始まった。入場無料。22日まで。撮影したのは同少年院で23年勤務している職員で写真家の永山直樹さん(52)。永山さんは「保安の観点から内部の写真が公開されることはなかった。現在は使われていないので所長の許可をもらい開催した。多くの人に沖縄少年院の様子を知ってほしい」と来場を呼び掛けた。

 建物の外観だけではなく、寮の居室など内部も撮影した101枚が並ぶ。夜間、施設内を見回る経路で撮影した写真や朝の朝礼で始まる一日の様子を写した写真も。作業やスポーツに励む少年らの姿も後方から捉えている。

 「悪い環境を排除したら、院にいた少年は普通の子どもたちと同じ。一生懸命作業する様子から感じ取ってもらえれば」と永山さん。「少年らに寄り添い共に行動する職員の姿も分かる。本来持っている力を引き出すのが私たちの仕事。更生し、社会の一員として幸せになってほしいと願っている」と笑顔で話した。