牛81頭の出荷を見送り 問題の授精士種付けで久米島和牛改良組合 18日の競り向け農家に説明 血統牛DNA不一致


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 久米島町内の家畜人工授精師(48)が種付けした子牛で「血統矛盾」が相次いで発覚している問題で、久米島和牛改良組合(翁長学組合長)とJAおきなわ久米島支店は16日夜、同町の久米島家畜市場で畜産農家向けの説明会を開いた。18日に予定される競りには、問題の授精師が種付けした子牛80頭、成牛1頭の計81頭の出荷が見送られることになった。

 同支店によると、説明会には約80人が参加した。翁長組合長と大田喜信支店長が「お騒がせして申し訳ない」と謝罪し、松元靖農産課長が今後の対応方針を説明した。参加した農家によると、JAの対応を非難する声はなかったものの「次回(5月)、必ず出荷できると約束してほしい」などの声が上がったという。

 人気の種雄牛「安福久(やすふくひさ)」の血統を持つ牛を中心に、問題の授精師が種付けした69頭が現在、DNA検査を受けている。競りへの出荷が見送られることになった81頭には、安福久以外の血統牛も含まれている。

 町内の50代の繁殖農家は「競りがないと生活費が払えない農家もいる。今月と来月、どう暮らしていくか不安だ」とこぼした。