沖縄県に和牛のDNA全頭検査を求める 信頼回復でJA


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 久米島町内で血統矛盾の牛が相次いで確認されている問題で、JAおきなわ(普天間朝重理事長)が県内肉用牛の全頭DNA検査を県に要望している。購買者の信頼回復を図ることが狙い。県内子牛の取引頭数は年間約2万5千頭で、全頭検査には約2億5千万円が必要となる見込み。JAおきなわは県に費用負担を求める考えだ。

 JAおきなわ幹部は「信頼回復のため、すぐにでも全部の肉用牛でDNA検査をしたい」と話す。検査費用に関しては「授精師の問題なので(監督機関である)県が負担するべきだ。場合によってはJAが一部負担するだろう」としている。農家の負担が生じないよう調整を進めるという。

 県外購買者の60代の男性は「購買者を甘く見てはいけない。全頭でなくてもいいので、抜き打ちの検査をしてほしい。信用が商売に結びつく」と語った。これらの問題を協議するため、県とJAおきなわ、県家畜改良協会、県家畜人工授精師協会の4者は近く対策委員会を立ち上げる方針だ。

 授精師業務の調査や指導、生産者の不安解消に連携して取り組む。県によると、必要に応じて会合を開くという。