基地周辺の水質汚染が分かっても調査をしないのはなぜ? 防衛局、今後も未定


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 県内の米軍基地周辺の浄水場や河川で高濃度の有機フッ素化合物が検出されていることを企業局が発表してから4年経過したが、沖縄防衛局は嘉手納基地内での調査を実施していない。防衛局はこれまで米軍の許可が得られていないためだと説明してきた。一方、基地外で水質調査を実施したのも2017年度のみだ。20年度以降の事業予定は不明だ。

 県企業局は16年1月に北谷浄水場から有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)が高濃度で検出されていることを公表した際、発生源は「嘉手納基地の可能性が高い」と指摘していた。

 防衛局は17年度に嘉手納基地内の水質調査を計画したが、米軍が応じなかったため基地内を諦め基地周辺で調査した。18年度も基地内の立ち入りを申し入れたが認められなかったと説明している。「米側との調整で事業が遅れた」として、実施時期を19年度に変更し、予算も繰り越した。

 変更した計画では19年5月まで米軍との調整を続け、同6、7月に発注、同8~12月に調査を実施する予定だった。実際は発注さえしていない。19年度中にも実施できず、予算は未執行になるとみられる。