エレベーター保守にAI 多機種不具合に対処提示 沖縄エレベーター工業 「EVサーチ」開発


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「EVサーチ」を紹介する沖縄エレベーター工業の喜納賢治工務部長(右)、賀数武幸さん=16日、那覇市上之屋の県中小企業団体中央会

 エレベーターやエスカレーターの保守管理業の沖縄エレベーター工業(那覇市、渡久地正堅社長)は16日、人工知能(AI)の機械学習を活用したエレベーター保守管理支援システム「EVサーチ」を開発したと発表した。メーカーや機種ごとに異常の症状と対処法などをデータとして積み上げることで、故障時の効果的な対応策が複数示されるシステムとなっている。

 同社によると、エレベーターは主要5社の製品だけでも100種類以上の機種がある。修理やメンテナンスの方法もそれぞれ異なるため、緊急時の対応はベテラン社員の知識と経験に頼る部分が大きかった。

 同システムを導入することで、メーカーや機種、症状などを打ち込めば、適切と思われる対処法が複数表示される。各事例をシステム上に蓄積することでAIの機械学習が進み、より精度の高い対処法が示せるようになるという。

 経験の浅い社員でも修理の対応がしやすくなるほか、作業時間の短縮など事務効率化にもつながる。現在は自社でテスト運用中だが、今後、月額利用料などを設定して同業他社に利用を呼び掛ける方針。

 同社の喜納賢治工務部長は「企業の人手不足解消と社員の技術向上につながる仕組みだ。できるだけ早く一般に提供できる体制を整えたい」と話した。

 問い合わせは同社(電話)098(866)6623。