新型コロナ拡大防止に細心の注意 国立劇場おきなわが1ヵ月ぶり主催公演 来場者の体温検査、座席消毒


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小型のサーモグラフィーで来場者の体温検査をする国立劇場おきなわの職員=21日午後、浦添市の国立劇場おきなわ

 浦添市の国立劇場おきなわは21日、約1カ月ぶりに主催公演を開催した。同劇場は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため主催公演を2回続けて中止し、主催以外の劇場公演も中止や延期が続いていた。サーモグラフィーで来場者の体温検査を実施するなど、慎重を期した開催となった。

 この日は開場を待つ来場者の列がロビーにできないように、普段より30分早くに開場。職員が入り口で来場者の手にアルコール消毒スプレーを噴射し、2台の簡易サーモグラフィーで体温検査を実施。体温が37.5度以下かを確認した上で、アルコール消毒を済ませた座席に誘導した。休憩時間には、劇場内の扉を開放して換気をした。

 サーモグラフィーの検査で19人に37.5度以上の体温が見られたため、別室で体温計による検温が実施された。19人とも体温計で37.5度以下だったため、観劇できた。

 国立劇場おきなわ運営財団の稲福弘常務理事は「沖縄で感染者が1カ月発生しなかったことや、県が16日以降の主催イベントの開催方針を示したため、公演実施を決めた。舞台を期待するお客さまや、稽古を積んできた出演者がいる。過剰に警戒して社会の元気を失うことも怖く、できるだけ中止は避けたいが、公演実施が難しい状況に変わりはない」と話した。

 観客の女性(75)=那覇市=は「早くこれまでのように自由に舞台を見られるようになってほしい」 と公演再開を喜んだ。