熱いプレーでファンにメッセージ キングスが実戦練習をライブ配信 Bリーグ初、3万6000人が視聴


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実戦練習で、軽快な動きを見せる並里成=21日、沖縄市体育館(大城直也撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは21日、新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが一時中止となったことを受けて、実戦練習をツイッターで配信する「団結の力プロジェクト キングスVSキングスLive配信」を沖縄市体育館で実施した。田代直希主将が率いる「ゴールド」と、並里成らの「ネイビー」が実戦練習を行った。実戦形式の練習は1クオーター(Q)それぞれ6分ずつ、計24分で行われた。最後まで接戦が続いたが、41―40でネイビーが勝利した。ツイッターの合計視聴者は約3万6000人に及んだ。Bリーグは17日に臨時委員会を開き、20日から4月1日までに予定されていたB1とB2の計95試合の中止を決めていた。中止決定以後、無観客で行う実戦練習をライブ配信するのはBリーグで初めてという。

 いつも声援を送ってくれる人々のために、チームとして「沖縄を元気に、明るくしたい」という思いを込めて行われた、実戦形式練習のライブ配信。無観客の中に寂しさを感じつつも、「ネイビー」と「ゴールド」に分かれて戦った選手らは熱いプレーでファンの思いに応えた。

 前半はゴールドが先行したが、後半に並里成らが率いるネイビーが追い上げ、41―40で勝利した。並里は「観てる皆さんに楽しんでもらうことが優先だったが、選手である以上勝ちたくなった」と笑い、「やってよかった」と語った。

実戦練習を終え、中継カメラに手を振る選手たち

 本番さながらの演出にチーム側の支出もあるが、藤田弘輝HCは「団結の力で困難を乗り越えていきましょうというメッセージを送ることができた」と満足感もある様子。観客が来場できる試合再開のめどは立っていないが「プロらしく準備していく」と力強く語った。

 ほぼ交代なしの実戦練習では、中心となる外国人選手以外にも税所寛ら若手もハッスルしていた。調整のため練習に参加しなかった岸本隆一は「いつもと違う雰囲気でプレーするのはいい経験」とベンチからの声援で盛り上げていた。

 まだまだ終息を見せない新型コロナウイルスに寒竹隼人は「一人一人が気長に我慢しつつ、やるべき事を積み上げていくことが大事で、忍耐も必要。今回の練習を見て、リーグ再開後も応援したいと思う気持ちを与えられたらうれしい」と今後の支援を呼び掛けた。

 ツイッターのライブ配信の合計視聴者数は3万6千人を超えており、コメントには「キングスありがとう」などの温かい言葉が並んだ。主将の田代直希は「僕らの企画が他のチームにも続くとか、いろんな形がある。今回はファンと交流できたかな。今後もSNSを使って盛り上げていければ」と、停滞する状況の中でもチーム全体で盛り上げていく思いを語った。