「残念」「仕方がない」 聖火リレー中止で走者が落胆


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 大会組織委員会が聖火リレーの中止を決めたことを受け、出走予定だったランナーからは「ありえない」「残念だ」と落胆の声が相次いだ。

 1964年の東京五輪の聖火リレーで沖縄の第1走者を務め、今回2回目のランナーが決まっている宮城勇さん(77)=浦添市=は「ありえない」と一言。「希望と平和の尊さを伝えるのが聖火リレー。五輪に欠かせないプレイベントなので、世界の人々から称賛されるリレーをしてほしい」と仕切り直しの実施に期待した。

 名護市でデイゴラグビースクールを運営する銘苅信吾代表(32)=名護市=は「本音を言えば走りたい。しかし東京五輪は平和の祭典。大変な事態だから無理をして走ることはない」と理解を示した。

 ケンケン体操クラブ代表の又吉健一さん(45)=うるま市=は「リレーを走ることで空手の喜友名諒さんたちのような五輪選手の仲間に入れるようで、ものすごく喜びを感じていた。残念だ」と唇をかんだ。

 前回の東京五輪の際、宜野湾市内で聖火リレーの様子を撮影していた仲道正永さん(72)=西原町=は今回も「どこで撮ろうかずっと考えていた」と撮影を心待ちにしていた。ランタンに聖火を入れて車両で運ぶ形が模索されたことについては「リレーは人が走っているのが一番。車で運ぶのなら(写真を)撮ってもね」と肩を落とした。

 うちなー噺家(はなしか)の志ぃさー(藤木勇人)さんは「取りやめは仕方ない。聖火ランナーは結婚披露宴の『かぎやで風』のようなもの。聖火ランナーもオリンピックを盛り上げるために存在する。オリンピックが延期や中止となれば仕方がない」と話した。