北谷、延長十三回熱戦を制す 高校野球春季大会 チーム一丸で勝ち取った白星


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 高校野球の第67回県春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)が25日、開幕した。Agre(アグレ)スタジアム北谷など3球場で1回戦9試合を行い、宜野座は5―2で本部を下した。北谷は延長十三回タイブレークの末に、那覇を6―5で下した。糸満が5―4で与勝にサヨナラ勝ちした。中部商業は9―1で豊見城南に七回コールド勝ちした。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全試合無観客で行われた。37.5度以上の発熱がある選手や関係者は会場への入場を禁止し、球場の各所には消毒液が設置された。試合後の校歌斉唱なども取りやめ、グラウンド整備などを行う補助員は置かず、必要最小限の人員で運営した。今大会から初めて投手の「1週間で500球以内」とする球数制限や申告敬遠が導入されている。北谷―那覇の試合では那覇が九回に申告敬遠し、満塁策を講じることもあった。

北谷、何度も一丸で食らいつく
 

那覇―北谷 9回無死1、2塁、犠打で走者を進める北谷の植村大志=25日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(喜屋武研伍撮影)

 「苦しい試合でした」。延長十三回タイブレークにもつれ込む熱戦を制した北谷の平良栄二監督は、安堵(あんど)の表情だった。グラウンドの改修工事や新型コロナウイルスの影響で満足いく練習はできなかった。だが勝負どころで選手らは一丸となり、白星を飾った。

 グラウンドは昨年9月27日から3月半ばまで改修工事に入っていた。小さなプラスチックボールを使ってバットを振り、動体視力を養った。時にはテニスコートに入り、ボールを壁当てして守備練習していた。さまざまな方法で不足している練習時間と質を補った。

 迎えた本戦は、初回に死球などで2点先行されたが裏で1点返す。四回に追加点を許すが、六、七回に犠打など小技を絡めて1点ずつ得点して追い付いた。初戦の硬さから細かなミスが出たものの、何度も何度も食らいついた。

 新垣元規主将を筆頭に「楽しもう」と声掛けを続ける。約4時間に及んだ試合だが誰一人として集中力を切らさなかった。十三回タイブレークは、野手選択が絡み満塁で4番の植村大志へと回った。「投手が踏ん張って投げてる。俺も」と2球目のボールを的確にすくい打ち、犠飛で決勝点を挙げた。

 植村は「ミスをなくし、一つずつ勝っていく」、新垣主将は「自分たちらしく楽しんで、ベスト8入りを目指す」と頼もしい表情で目標を語った。
 (喜屋武研伍)


▽1回戦
那 覇
200100000200  0|
100001100200 1x|
北 谷
(延長十三回タイブレーク)
(那)眞榮城、玉城、平安山―喜舎場
(北)富川、神谷、末吉、仲里、富川―植村
▽三塁打 豊里(那)
▽二塁打 金城(那)、古堅(北)

 ●接戦を制せず、悔しさを募らせる那覇の山城和也監督「決めるべきところで決められなかったのが敗因。また、選手同士で気持ちがつながっていなかった。しっかりと修正して夏に臨みたい」