知事、再撤回「一つの手」 辺野古 県民投票の会が要請


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玉城デニー知事(右)に要請書を手渡す元山仁士郎氏=27日、県庁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、玉城デニー知事は27日の記者会見で、埋め立て承認撤回を巡る抗告訴訟の後、再び撤回をすることについて「一つの手段だ」と述べた。会見に先立って「辺野古」県民投票の会の元メンバー有志から再撤回を求められた際に「再撤回がいつ、どんな内容になるかは裁判が進んでいる間でも検討に値する」と述べたことについて問われ、答えた。

 一方で「(2018年の撤回処分を巡る)抗告訴訟が続いている間、我々の主張は正当だという立場だ。その間は再撤回に踏み込むことはできない」と話し、これまで通り抗告訴訟で撤回の正当性を争い、その間は再撤回できないとの立場を示した。

 抗告訴訟で敗訴した場合、実際に再撤回をするかどうかについても「現状の撤回に軟弱地盤の問題なども含まれている。同一案件で2度の裁判を起こせないことも踏まえて検討する必要がある」と強調した。

 県民投票の会で当時代表を務めた元山仁士郎氏らは27日、県庁を訪れ、玉城知事に県民投票で示された結果の活用を要請した。結果を一顧だにしない日本政府を批判しつつ、玉城知事に「閉塞(へいそく)感を打破してほしい」と期待した。

 玉城知事は「(県民投票で埋め立て反対を投じた)72%の後押しは私にとっての強力なクサティ(腰当て、支え)になってます。だから絶対に転ぶことはない」と話した。

 元山氏らは(1)投票結果と軟弱地盤を理由にした再撤回(2)46都道府県での全国キャラバン(3)県議と協力し、市町村議員や首長も含めた東京行動を実施すること(4)全国知事会で日本政府への提言採択を求めること―などを求めた。