「弱者の声聞く体制を」 万国津梁会議が中間報告


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SDGsに関する万国津梁会議の中間報告を玉城デニー知事(右から2番目)に手交した同会議の委員ら=27日、県庁

 沖縄らしい持続可能な開発目標(SDGs)とその推進について、外部の有識者の意見を県の政策に反映させるため設置した「SDGsに関する万国津梁(しんりょう)会議」(委員長・島袋純琉球大教授=写真左から2人目)は中間報告をまとめ、27日、玉城デニー知事=同3人目=に手渡した。可能な限り当事者が参加する場を設け、社会的弱者の声を積極的に拾い上げてSDGsを推進する仕組みが重要などとした意見が盛り込まれた。

 中間報告では、SDGs推進に重要な取り組みについて、数値目標を用いて定期的にフォローアップをしていくことや、課題解決に向けて協働するために当事者が参加することも盛り込んだ。推進体制は「パートナーシップ」と多様な意見を拾う「プラットフォーム」の構築が重要だとした。

 玉城知事は「大学生や若い人たち、県の職員も一緒に情報共有しながら進めていけるよう取り組んでいきたい」と述べ、次年度の議論にも期待した。島袋委員長は、22年度以降の県の新たな沖縄振興計画に盛り込めるよう、年内のできるだけ早い時期に最終報告を取りまとめたいと述べた。

 意見交換で島袋委員長は3回の会議を振り返り「『沖縄らしい』という基盤は歴史・文化・言語であり、それらの継承がSDGsの中核になるという意見があった。女性、若者、障がいのある人など社会的弱者を一人も取りこぼすことなく社会的包摂をしていくと、それが『沖縄らしさ』につながるのではという意見が非常に強かった」と振り返った。

 玉城直美委員は「社会的な意思決定機関に女性がしっかりと入っていくこと、若者のしっかりした参加だと思う」と述べ、次年度の会議に10~20代の若者が入ることを希望した。