イベント中止で劇場利用料の全額返還を 那覇市に要望へ


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 那覇市のパレット市民劇場の指定管理者が市に対し、新型コロナウイルス感染拡大によるイベント中止の際の利用料全額返還を求める要望書を提出することが28日、分かった。要望書は30日にも提出する予定で、指定管理者側は「現場にしわ寄せが来ている状況を早急に改善してほしい」と訴える。市の担当者は本紙の取材に「他の市町村の事例も見て庁内で対応を調整している」と述べた。

 同劇場指定管理者のパレットグループ(久茂地都市開発、リウボウインダストリー、沖縄ビル管理の3社で構成)関係者によると、那覇市は新型コロナウイルス感染が広がり始めた2月以降、イベント開催の可否を主催者判断にしている。主催者が新型コロナウイルス感染防止を理由に開催を取りやめた際、利用料は半額返還としている。

 条例では天災などの場合、全額返還が認められており、指定管理者側は「コロナウイルス感染拡大は天災に準じる不可抗力の事象」と主張。市に対し対応改善のほか、損失補填(ほてん)も求めていく。

 一方、浦添市てだこホールなど自治体が直接運営する施設の多くが自治体の判断で2月末から利用料を全額返還している。指定管理者制度を導入している南城市文化センターシュガーホールも2月28日以降、全額返還している。

 パレット市民劇場の美底清順館長は「非常時の判断を現場任せにする那覇市の対応はあまりに無責任だ。イベントの主催者やわれわれの相当な負担を認識してほしい」と説明した。