沖縄特別措置「継続が必要」 21世紀ビジョン 県が総点検案を了承


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 県振興推進委員会(委員長・玉城デニー知事)は26日、県企画部がまとめた沖縄21世紀ビジョン基本計画(沖縄振興計画)等総点検報告書案を了承した。1人当たりの県民所得が全国最低の水準にとどまり、非正規雇用率が全国一高い状況や、国の責務として解決されるべき基地問題や離島の条件不利性を克服することなどを固有の課題として挙げた。日本の南の玄関口にある沖縄県の国家戦略としての位置付けを踏まえ「今後も引き続き、沖縄振興のための特別な措置が講じられる必要がある」と結論付け、高率補助や一括交付金など現行制度の継続が必要だとした。

 報告書案では、県や市町村の社会資本整備の国庫補助割合をかさ上げする高率補助制度について、道路整備など(本土との)格差が残る分野があることや離島地域の高コスト構造、駐留軍用地跡地開発などの課題を挙げ「引き続き高率補助制度を必要とする状況は変わらない」と指摘した。

 2012年度に創設された一括交付金について「子どもの貧困問題をはじめ全国一律の政策では解決困難な課題が山積している」として、引き続き必要だとした。税制の優遇措置は「近年のビジネス環境の変化に対応し、柔軟に適用要件などの見直しや人材確保・育成の方策検討が必要だ」とした。沖縄振興開発金融公庫の機能と組織の存続も「必要不可欠」とした。

 県は、年内に新たな振興計画の骨子案をつくり、県民や市町村、関係団体からの意見も踏まえて20年度中に計画の素案をまとめる。