一方的な解雇通知、休業手当支給されず… 新型コロナ、観光産業で働く人から悲鳴


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 沖縄県労働組合総連合(県労連)は27、28日の両日、「観光産業で働く仲間の労働相談」として、労働者からの相談を受け付けた。2日間で15件の相談が寄せられ、そのうち13件が新型コロナウイルスに関連するものだった。相談内容の中には雇用主から一方的に解雇を言い渡された事例があったほか、自宅待機を指示されたが賃金補償をしないと通告された例もあった。

 相談内容によると、今月20日に「4月1日から解雇」と言い渡されたツアーガイドの女性がいた。アルバイト契約で観光バス運転手をしている60代男性は会社が3月から休業となり、自宅待機を指示されたが休業手当が支給されていないとの訴えがあった。また、フリーランスで観光ガイドをしている30代女性は仕事が途絶えたため、収入がなくなったとして補償する制度を相談していた。

 ホテル業や観光ガイドなど、新型コロナウイルス感染拡大による観光客の落ち込みの影響が県内の多方面に広がっていることが示された形となった。相談のうち、少なくとも3件は外国人労働者が窮状を訴えていた。

 県労連は30日に相談結果を公表した。経営悪化を理由とする解雇は「整理解雇」に該当し、労働組合や解雇される労働者との協議や説明が尽くされる必要があることなどを指摘。解雇予告日から30日を満たない解雇には解雇予告手当が請求できることなど、対応策を示している。

 その上で(1)使用者側が解雇などの労働条件の不利益変更を一方的に通知・通告している(2)法令無視、無知が甚だしい―との見解を示し、使用者に法令を順守させるためにも、労働者に労働組合に加入してもらい、訴えていくことを促した。