知念、沖水を振り切る 沖縄県春季高校野球第6日


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 高校野球の第67回県春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第6日は30日、北谷町のアグレスタジアム北谷と那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で2回戦4試合を行い、16強が出そろった。知念が昨年準優勝の沖縄水産に3―2で勝利。昨年優勝の興南と南部工の一戦は、延長十一回に興南が2―1でサヨナラ勝ちした。シード校の嘉手納と美来工科のゲームは延長十二回までもつれ、嘉手納が2―1で勝利した。大会第7日の31日はアグレスタジアム北谷など3球場で3回戦8試合を行い、準々決勝進出校が決まる。

沖縄水産―知念 7回1死二塁、同点に追い付く適時二塁打を放つ知念の仲里洸哉=30日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(ジャン松元撮影)

知念、ベンチが打者後押し勝利に

 昨年の春季準優勝、新人大会優勝の古豪・沖縄水産に1点差で勝利した知念のベンチは初回から終始笑顔があふれていた。初戦の浦添戦で12残塁と課題を残し、照屋拓己監督は「地力はあるけど試合で堅くなる。きょうは良い意味で力を抜こう」と試合前から選手に呼びかけていた。いつもならベンチからの声かけもリードされると小さくなるが、ゴロや三振の結果にも「チャレンジいいよ。ナイスバッティング」との励ましが途切れなかった。

 四回の先制機、その声に力を得て打席に入ったエースの新屋来樹が適時二塁打で打撃でも貢献。終盤には、仲里洸哉の二塁打、城間陸の犠飛で追加点を挙げた。

 守っては、七回から入った捕手の上間光祐の配球が光った。新屋とは中学3年の秋からバッテリーを組む。新屋のカットボールが捉えられつつあると見ると、縦のカーブを生かした組み立てに変更。80~130キロ台後半の球速差で沖水打線を翻弄(ほんろう)した。八回表2死一、二塁のピンチは三振で打ち取った。照屋監督は「あそこの場面は悪い空気を断ち切る圧巻の連係だった」とバッテリーの仕事に目を細めた。
 (上江洲真梨子)

 ●ピンチに打たれたことを悔やむ沖縄水産のエース石川愛斗「優勝して離任する部長の先生を胴上げする約束が果たせず悔しい。自分の投球で主導権を握り、攻撃につなげたかったが、三振を取ろうと投げ急いでしまった。夏までに立ち上がりの遅さを修正したい」

 


▽2回戦
沖縄水産

 000011000|
 00010011×|
知 念

(沖)古波藏、石川―平良
(知)新屋―仲宗根、上間
▽二塁打 平良(沖)、新屋、仲里(以上知)