沖縄の雇用判断、3年ぶり下方修正 労働局「支援策周知を」今年2月


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沖縄労働局

 沖縄労働局(福味恵局長)は31日、2月の労働市場の動きを発表した。県内では求人が求職を上回っているものの、「新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に十分注意する必要がある」として、これまで維持してきた「着実に改善が進んでいる」という基調判断を引き下げた。下方修正は3年1カ月ぶり。新型コロナの影響で稼働率や売り上げが低下している事業所があり、今後の影響をみる必要があることなどを理由に挙げた。

 福味局長は「新型肺炎(コロナウイルス感染症)の終息は見通せない。県外からの観光客の減少により、旅行業界などで影響を受ける可能性がある。雇用面に悪影響が出ないよう注視し、雇用調整助成金などの支援策を周知し、できる限り影響を最小限にしたい」と話した。

 2月の県内の有効求人倍率(季調値)は1・11倍(全国平均1・45倍)となり、前月と同水準だった。

 新規求人倍率(季調値)は1・81倍で前月より0・21ポイント上昇した。

 県内新規求人数(原数値)は1万2686人で、前年同月比0・6%(72人)減となった。減少は3カ月連続。

 県内新規求人数を主要産業別に前年同月比でみると、新型コロナウイルス感染症の影響が少ない情報通信業や慢性的人手不足の運輸業・郵便業で増加した。一方、新型コロナの影響でホテルの稼働率が低下し、清掃業など他のサービス業は減少した。

 安定所別有効求人倍率(全数・原数値)は、名護所が1・45倍(前年同月比0・23ポイント増)となり、沖縄の日本復帰後最高値を記録した。宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉の求人が伸びている。リゾートホテルで大規模求人が出ている影響もみられる。

 完全失業率(原数値)は3・1%で前年同月比1・0ポイント上昇した。