チーズリッチ、ブルーベリーパン求めて遠方からも コザのちっちゃなパン屋が閉店


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3月31日で閉店したベルーガの(右から)亀谷信子さん、山内恵子さん、盛正さん、常連客のみなさん=3月28日、沖縄市上地の同店

 【沖縄】地域住民に愛されてきた「ちっちゃなパン屋さん ベルーガ」(沖縄市上地)が3月31日、25年の歴史に幕を下ろした。おいしいと評判を集め、遠方からの常連客も大勢いたが、パンを焼くオーブンの老朽化や後継者がいないことなどが重なり、閉店することになった。店で働く山内恵子さん(54)は「長年にわたり、お客さんと同じ時間を過ごさせてもらった」と感謝した。

 ベルーガは、恵子さんの亡き父・亀谷勇さんが1995年に開店した。一番の人気はチーズリッチで、恵子さんの母・信子さん(78)によると、店頭にいくら出しても売れるパンだという。恩納村から毎週食パンを買いに来る人もいた。28日も閉店を惜しむ常連客が訪れ、午後1時には売り切れ状態となった。

 幼稚園生の頃から足を運んでいるという稲吉茶章(さき)さん(14)=宜野湾市=は「ブルーベリーパンが好きだった。閉店はショック」と話した。恵子さんの夫で、店主の盛正さん(56)は「地域やお客さんにお世話になった」とお礼の言葉を述べた。