知事の発表にどよめき 県職員の感染に緊張感漂う県庁


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マスクを着用して新型コロナウイルス感染症対策本部会議に臨む知事や関係部局長ら=3日午後1時すぎ、県庁

 中部保健所管内に住む20代の県職員男性が新型コロナウイルスに感染していることが判明した3日、県庁内には緊張感が漂い、職員は感染防止対策を徹底することを確認した。午後1時から開かれた県三役と部局長でつくる危機管理対策本部会議には、玉城デニー知事らがマスク姿で出席した。報道陣にもマスクの着用が求められ、県職員の感染という事態を受けて普段と異なる雰囲気に包まれた。

 「本日2例の新型コロナ感染症患者が確認され、そのうち1例が県職員でした」。対策本部会議の冒頭、玉城知事が発表文を読み上げると、室内はどよめきに包まれた。

新型コロナウイルスに関する県のブリーフィングを待つマスク姿の報道陣=3日午後2時20分ごろ、県庁

会議後には玉城知事が、県庁からクラスター(新型コロナウイルスの感染者集団)を発生させないため強い危機感を持って対応することや、県民に不安を与えないよう全庁的な取り組みを進めることを説明した。午後4時すぎには玉城知事が庁内放送で県職員の陽性判明を伝え、感染防止対策などを呼び掛けた。玉城知事は「動揺することなく感染防止対策を行うようお願いする」と強調した。全ての本庁職員に対し4月15日まで、1日2回の体温測定を行い記録するよう要請した。37度5分以上の発熱や倦怠(けんたい)感、せきなどの症状が出た際には所属長へ報告することも求めた。

 職員のマスク着用や手洗いなどの徹底、会議の際はこまめに換気をして出席者の距離を保つことなどを、感染防止対策として掲げた。

 職員らは仕事の手を止めて庁内放送に耳を傾け、ペンを握ってメモを取ったり、じっと聞き入ったりしていた。40代の男性職員は、県職員に感染者が出たことを午後になって聞いたという。「とにかく驚いた。影響が最小限にとどまることを願っている。知事の放送で示された点に留意して、感染防止のために各自でできることをやる」と話した。