伝統舞踊「節踊」の復活などを要請 沖縄・与那国フォーラム


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外間守吉町長(左から2人目)に対し継承者育成のため行政に協力要請をする小池康仁理事(中央)と事業補助員ら=3月16日、与那国町役場

 【与那国】与那国島で民俗芸能の人材育成事業に取り組む与那国フォーラム(外間守吉町長・代表)は3月16日、与那国民俗芸能継承について調査した「人材育成計画策定事業報告書」と、その調査に基づきまとめた「与那国民俗芸能人材育成計画書」を町に渡した。両書は、島の伝統芸能の舞踊や地謡を担う人が減少し、伝統芸能の継承が断たれてしまう恐れのある深刻な現状を取り上げている。

 与那国フォーラム事務局の小池康仁理事は同日、外間町長に同報告書と計画書を基に、2件の案を要請した。

 一つ目は地謡と舞踊の継承者の育成、二つ目は10年に1度組踊やキングイ(狂言劇)などが演じられていたシティ・ブドゥイ(節踊)の復活。継承者の育成は、学校の総合的な学習の時間では限りがあることから「地域(公民館)が協力して、子どもたちが民俗芸能に魅力を感じられるような取り組みができないか」と要請した。

 外間町長は伊江島や多良間島の例を述べ、提言に対し「町民全員参加型で目標を持ちやらないといけない。教育委員会との連携、支援も必要だろう」と述べ、予算についても前向きな考えを示した。

 小池理事は外間町長の前向きな話を受け止め「同事業に携わっている田原伊明氏が新教育長に就任されたこともあり、今後の人材育成につながる取り組みに対し、心強い思いで期待している」と語った。

 同フォーラムは調査結果を基に民俗芸能の継承へ向け、新年度は活動を活発にしていく考えだ。
 (村松友紀通信員)