環境に優しいビニール管製造 沖縄クボタ化成 製造過程で有害の鉛使わず


社会
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鉛を使わない塩化ビニール管の製造を手掛ける沖縄クボタ化成の汲田康昭社長(中央)ら=うるま市の同社

 パイプなどを製造する沖縄クボタ化成(うるま市、汲田康昭社長)が、環境に優しい塩化ビニール管の生産に力を入れている。ビニール管の製造過程で鉛を使用せず、リサイクルに適したカルシウム亜鉛で代用することで、有害物質を自然界に流出させないよう配慮している。汲田社長は「環境のことを考えた塩化ビニール管を製造して、SDGsの取り組みにも貢献する」と強調した。

 塩化ビニール管は原料の樹脂を加熱して製造しており、完成までの過程で酸素と結合して炭化することがある。炭化を防ぐため、安定剤として鉛などの金属を使用する。鉛を使った場合は、ビニール管から微量の有毒物質が溶け出す可能性があるという。製造過程で鉛が飛散する恐れもあり、工場で働く従業員の健康管理にも注意を払う必要があった。

 沖縄クボタ化成は安定剤に鉛を使わないことを徹底しており、汲田社長は「環境に無害な塩化ビニール管に仕上がっている」と胸を張る。カルシウム亜鉛で代用することで、社員の健康が悪化するリスクを回避でき、鉛の飛散防止のための設備投資もなくすことができた。環境に優しい塩化ビニール管であることを前面に押し出し、国内外に販売することも視野に入れる。

 汲田社長は「SDGsの取り組みを推進できる製品を沖縄の地で生み出したい。若い世代の従業員にも技術を学んでもらい、人材育成も強化する」と目標を掲げた。