政治的な発言、あかんの? 共感広がる「せやろがいおじさん」 新聞でネタのファクトチェック


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時事問題などに鋭くツッコミを入れる「せやろがいおじさん」こと榎森耕助さん(オリジン・コーポレーション提供)

 時事問題などに鋭くツッコミを入れる「せやろがいおじさん」こと榎森耕助さん(32)。ユーモアと風刺を交えた笑いを動画投稿サイト「Youtube(ユーチューブ)」で配信して、多くの人の共感を呼んでいる。新聞をあまり手に取らないネット世代にとっては、ニュースを知るきっかけにもなっている。

 「常に情報に接してないと気がすまない」と話す榎森さん。運転中でも家事をしているときも、ラジオを流しっぱなしにしている。テレビニュースに会員制交流サイト(SNS)のチェックも欠かさない。新聞は朝日、毎日、産経、県紙2紙を読む。「テレビやラジオは流しっぱなしで情報を取り込める。新聞は自分のペースでゆっくり把握できる」。状況に応じて情報ツールを使い分けている。

 動画で情報発信をする際にはファクトチェックも徹底する。「新聞は記者が裏取りしている。ファクトにずっと向き合ってきた記事は価値があると思う」。新聞は、自身が配信する情報が正確かどうかを確認するための存在でもある。

 特に政治ネタを扱い始めてからは、批判の声が届くことが増えた。「一方的になっていないか、いろんな立場があることを忘れていないか」。自省する作業を欠かさない。同時に「異論に対して攻撃的になる風潮」に疑問も持つ。「そもそも、なんでこんなに政治的なこと言うのがあかんのか。『昨日のテレビ、面白かったね』のテンションで話し合っていいんじゃないか」。動画配信の裏側には「議論のきっかけになれば」という思いもある。

 配信を始めて約3年になる。「ニュースを知るきっかけ、語りやすい空気をつくる一助になればいい」と話した。
 (嘉数陽)