高校野球の第67回県春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第10日は5日、北谷町のアグレスタジアム北谷で準々決勝の残り2試合を行い、宮古が5年ぶり3度目の4強入り、日本ウェルネスは初の準決勝進出を決めた。強力打線が売りの宮古は中盤に固め打ちすると、北山に追撃を許さず、10―1の七回コールドで勝負を決した。日本ウェルネスは序盤、知念に2点のリードを許したが、終盤に6点を挙げ、7―2の逆転勝利で準決勝へ駒を進めた。4強が出そろい、11日予定の準決勝は中部商―沖縄工、宮古―日本ウェルネスのカードとなる。
川満、走攻守で光るプレー 宮古が強力打線で圧倒
打って、走って、守って―。宮古のリードオフマン・川満俊宜遊撃手のプレーが随所で光った。
三回表の2死三塁、左前へ先制打を放って出ると、100メートル12秒台の俊足を生かし、2番・砂川雅の打席で二盗に成功。砂川の単打で一気に生還した。
七回は四球で出ると、単打で二進。野手が塁から離れていたことから大きくリードを取った。次の打球が中堅に抜けるとみると「ホームを狙った」と迷うことなく三塁を回る。クロスプレーとなるが、捕手のタッチをかわし生還した。
守っては四回裏1死一、二塁のピンチ、左前へと抜けていく打球を好捕。この回を最少失点で抑えることに貢献。豊原啓人監督は「追い上げられそうな嫌な展開だった。あそこを止められなかったら危なかった」と勝負の分かれ目に挙げた場面での美技を称賛した。
3回戦の美里工戦以外、全てコールド勝ちしている。毎試合2桁安打の打線は準々決勝でも10安打10得点。2年前から指揮を執る豊原監督は「諦めない粘り強さ、畳み掛ける勢いは止められない」と評価する。準優勝だった5年前のリベンジに挑む。(上江洲真梨子)
七回に打線爆発一挙4得点 ウェルネス終盤逆転
春、夏、秋を通じて初の4強入りを果たした。日本ウェルネスは今大会で初めて、相手投手を打ちあぐねる展開となったが、七回に打線が爆発する。打者一巡の猛攻で一挙4得点で逆転。八回にも加点し、勝負を決めた。
先発の比屋根柊斗は調子が上がらず、2点を先制される。攻めてはなかなか好機をつくれず、重い雰囲気が広がる中、守備がチームの気分を変えた。四回表、左中間への打球を左翼の平良光汰が横っ飛びで好捕。五回表には1死一、三塁で仕掛けられたスクイズに的確に反応して併殺に仕留め、点を与えなかった。
直後のグラウンド整備時に全員で「楽しくやろう」と確認し、気持ちを切り替える。迎えた七回、1死満塁でのバッテリーエラーでまず同点。申告敬遠で再び満塁の絶好機に2番の平良一葵が三遊間を抜く適時打を放って逆転した。
4番のコンズ七斗も2点適時打で続いた。殊勲の逆転打の平良は外角の真っすぐに食らい付いたという。「強い気持ちで打った」とガッツポーズを決めた。
前泊奏汰主将は「先制されても我慢できたのは大きい。(次の)宮古も打撃のチーム。先手を取って流れを渡さず勝ち抜きたい」と言い切った。
(謝花史哲)
▽準々決勝
宮古
0020044│10
0001000│1
北山
(七回コールド)(宮)伊波、新里、狩俣勇―根間、来間
(北)名城、志良堂―嘉数
▽二塁打 垣花(宮)、大城漱(北)
知念
020000000|2
00010042×|7
ウェルネス
(知)新屋―仲宗根
(ウ)比屋根、渡慶次―コンズ
▽二塁打 山内(知)、平良一、渡慶次(以上ウ)
<11日の試合>
▽準決勝
【北谷】10時
中部商―沖縄工
宮古―日本ウェルネス