沖縄で「市中感染」増加 経路追えず検査件数も増加


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 5人、6人、12人。この3日間で県内の新型コロナウイルスの感染者が最多を更新し続けている。この状況に医師らも「今後も倍々で増えていく可能性がある」と警戒する。感染経緯も様相が変わってきた。3月下旬までは、県外や海外で感染し来県する「移入例」がほとんどだったが、その後は移入例からの二次感染、さらには感染経路が不明の「市中感染」へシフトしている。検査件数も20件前後で推移していたものから、ここ2日間は約40件と倍増している。

 7日、県内の食品メーカー内で計4人の感染者が出たことも明らかになった。同社で最初の感染者は4日に判明した50代の那覇市の男性。同男性に県外滞在歴はなく4日の会見で県が「感染経路不明」とした1人だった。その後感染が判明した同職場内の3人も県外滞在歴は確認されていない。国の「クラスター(感染者集団)」の定義は5人以上のため、現時点で県はクラスターには該当しないとした。

 感染傾向の変化に合わせ、玉城デニー知事が県民向けに発する言葉も変化。「県外から戻った人は2週間は外出を控えて」「家族以外の多人数での会食を行わないように」など、一層具体的に踏み込んだ内容になっている。

 感染拡大防止に向け、県民一人一人の意識と行動が試される局面に入ったと言えそうだ。