サンエー増収減益 コロナ、消費増税が影響 上地社長「地元客の消費も落ち込んだ」


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 県内スーパー最大手のサンエー(宜野湾市、上地哲誠社長)は7日、2020年2月期の連結決算を発表した。売上高にテナント収益などを含めた営業収益は前期比5・0%増の1992億9200万円、経常利益は同19・5%減の116億900万円、純利益は同18・3%減の76億8300万円となり、2期連続の増収減益となった。

 昨年6月の浦添西海岸パルコシティの新規開業が寄与し、創業以来50年連続の増収を確保した。一方で、消費増税に伴う消費マインドの低下、暖冬による季節商材の販売低調、さらに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が客足に響き、販管費の増加を補い切れなかった。

 部門別売上高(既存店比較)を見ると、売り上げ全体の6割近くを占める食料品が前期比1・2%増の1067億円と順調だったが、利益率の高い衣料品は5・9%減の143億円、外食が3・4%減の90億円と振るわなかった。

 連結子会社のローソン沖縄は直営5店舗の売上高が8億9800万円だった。期末配当は19年2月期の1株当たり52円から1円増配して、1株当たり53円を配当する。

 21年2月期の業績予想は新型コロナの影響が5月まで続くと仮定した上で算出した。

 営業収益は2・5%増の2042億6700万円、経常利益は12・5%減の101億6千万円、純利益は14・3%減の65億8600万円と見通した。

 上地社長は「6月以降の見立てはなかなかできない。6月以降は終息してほしいという願望も含めながら通常通り予算を組んだ」と述べた。

衣料品と外食が急減

2期連続の増収減益決算について「後半に消費増税、暖冬、コロナが重なった」と話すサンエーの上地哲誠社長=7日、那覇市のサンエー那覇メインプレイス

 サンエーの2020年2月期決算は新型コロナウイルス感染拡大防止によりインバウンド(訪日外国人客)の減少だけでなく、地元客の消費も落ち込んだことが影響した。決算会見での一問一答は次の通り。

 ―増収だが、昨年掲げた2千億円の目標には届かなかった。

 上地哲誠サンエー社長 食品は大きな影響を受けていないが、増税で衣料品と外食が急激に落ちた。特に新型コロナウイルスの感染拡大以降の落ち込みをカバーしきれていない。増税、暖冬、新型コロナの三つが重なったために未達となった。

 ―新型コロナウイルスの影響は。

 上地社長 2月から顕著に出てきて、月を追うごとに影響が大きくなっている。特に大型店で影響が出ている。4月、5月も続くだろう。ゴールデンウイークは通常だと集客のイベントをするが、今年は全面的に禁止する方針だ。

 ―浦添西海岸パルコシティの状況は。

 上地社長 コロナウイルスの影響もあり、インバウンドが急速に減っている。一方で地元のお客さまの認知度が上がっている。今の流れを大切にしていきたい。

 ―出店戦略に変更は。

 上地社長 石川シティは予定通り(今年夏に)オープンする。宮古島シティ、西原シティの増床も予定通りだ。

 ―緊急事態宣言の影響はどう見ているか。

 上地社長 沖縄でも当然、外出自粛ムードになるだろう。目先の売り上げではなく、感染終息を最優先にしないといけない。企業としてもお客さま、社員の安心、安全のためにできる限りのことをしていく。

 ―全国的にコンビニの働き方改革が進んでいる。

 古謝将之ローソン沖縄社長 店舗ごとに立地、オーナーの環境が全部違う。店舗の環境に応じてしっかりとした対策を打っていく。人手不足の問題もあるので、営業時間を短くするという希望があれば向き合っていく。