沖縄来県自粛「決して遅かったわけでない」デニー知事一問一答


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記者会見で報道陣の質問に答える玉城デニー沖縄県知事(左)=8日午前、沖縄県庁(代表撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて玉城デニー知事が発表した県の取り組みを巡る記者団とのやりとりの要旨は次の通り。

   ◇    ◇

 ―3月の時点で移入例が続いていた際に、県民に対して自粛要請はしたが、来県自粛の要請はなかった。来県自粛がこのタイミングとなった理由は。

 「今週に入って感染者が著しく増加し、その中には感染経路が明らかじゃない患者も増えてきた。『感染確認地域』から『感染拡大警戒地域』に移行している。私の認識としては、春休みなど3月末から4月頭にかけて、多くの人々が沖縄と県外への移動を行った結果、陽性の方が増えている。今後この数が増えていくことに危機感を持って対応するべきだとの認識から自粛を求めた」

 ―来県自粛を出すタイミングとしては遅かったんじゃないかとの見方もある。緊急事態宣言が出たことが一つの契機となったのか。

 「この声明を出す前に観光関連団体と意見交換を行い、医療関係の人々とも十分に協議した。慎重な判断のタイミングが必要だったと思う。決して遅かったということではなく、さまざまな団体やいろいろな人々との協議や意見を踏まえてこの段階になった」

 ―来県自粛要請の範囲と期間の理由は。

 「大都市以外に地方空港からも沖縄に乗り入れている航空便がある。大都市に限らず全国的に皆さんに移動について自粛してほしい。沖縄県でもコロナ対策の終息に向けた、拡散、拡大の対策として国が緊急事態宣言をした期間が適当であろうと判断した」

 ―経済への影響は難しい判断だったと思う。

 「沖縄県は観光産業が基幹産業だ。さまざまな分野に影響を及ぼすのは言うまでもない。国の経済緊急対策の発表を受けて国が直接対応するところと、それ以外を県がどのように補完するかを協議してきた。第2、第3の補正予算を県議会に提案していくことも考え、影響をできるだけ最小限にとどめられるように協議した上で発出した」

 ―離島でおじぃやおばぁが営む小さなマチヤグヮーへの経済支援は。

 「島特有のさまざまな課題があると思うし、個人経営の方々もいると思う。当然離島の皆さんの生活をしっかり守っていくためにも離島市町村からの意見や、さまざまな団体の皆さんから要望・要請などもしっかり受け止めたい。県が取り得る対策を緊急かつ切れ目なく実施していきたい」