新型コロナウイルスの感染拡大の影響でサッカーJリーグの公式戦日程が白紙となり、クラブの活動休止が相次いでいる。J2のFC琉球も例外ではない。フィールド練習を19日まで中止し、代わりにインターネットの同時中継を使って選手は自宅でフィジカルトレーニングを行っている。樋口靖洋監督は「まず自分たちが感染しない、させないことが大事。その上で同じ時間に同じ練習を共有することでチームのつながりができる」と意義を話した。
8日、奥武山公園内県体協スポーツ会館を拠点に、オンライン会議システム「Zoom」を使い初練習が行われた。2セット計約1時間のトレーニングに約30人が参加した。
選手の子どもが画面に映り込むなど、在宅ならではの和やかな雰囲気も共有しながら進めた。
矢野玲フィジカルコーチは慣れない画面越しの練習に「反応が分かりづらい」と苦慮する場面もあったが、動きを繰り返すなどして選手の様子を確認していた。矢野コーチは「向上は難しいだろうが、現状維持を狙っている」と週3回、日によってメニューの力点を変えて取り組むという。
強度のあるトレーニングに選手からは口々に「きつい」という声が上がったが、「家にずっといてストレスを感じている」(DF福井諒司)という選手もおり、充実した様子。MF田中恵太は「やれと言われても一人ではできないメニューだった」、FW上原慎也は「皆で練習できて、チームがバラバラにならない」と成果を感じていた。
英国のトップチームが採用している練習を参考に提案した安部悠平テクニカルスタッフは「できることはある」と手応えを口にした。樋口監督は「心肺機能を落としたらまた一から身体を作り直すことになる。開幕が決まった時にいいスタートを切りたい」と抜かりない準備で再始動を待つ。