農業人材国内から募る 那覇のエイブリッジ、入国制限受け 


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
農業人材を募集するエイブリッジの社員ら(エイブリッジ提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で外国人の入国が制限される中、農業分野で日本に入国予定の外国人労働者が自国で待機状態にある。外国人労働者の受け入れ機関である農業人材支援会社「エイブリッジ」(那覇市)でも、4月に外国人59人を受け入れ予定だったが、見通しが付いていない。同社は繁忙期を迎える農家の経営維持のため、新型コロナで失業した人や休業となった人に向けて、就農を呼び掛けている。

 同社はベトナム人38人、カンボジア人21人の計59人を「特定技能」として受け入れ、全国の農家に派遣する計画だった。春夏には北海道や東北、秋冬には九州や沖縄など、繁忙期に合わせて外国人労働者が全国各地を回る形だ。農業事業部の江城嘉一事業本部長は「新型コロナが長期化すると外国人が入国のタイミングを失い、秋冬が繁忙期の県内農業にも影響が出るかもしれない」と懸念する。

 全国的に従事者が高齢化し人手不足が顕著となる農業では外国人の力無しでは経営が成り立たない農家もいる。繁忙期に外国人労働者が加わることを見据え栽培をしていた農家も多い。

 同社は農家への影響を最小限に食い止めるため、国内で農業人材を募集している。新型コロナで失業した人や、休業中の人にも呼び掛ける。100人を受け入れる予定で、長期、短期は問わない。江城事業本部長は「新型コロナの影響で生活が困窮している人もいるので協力したい。仕事が見つかるまでの数カ月のつなぎでもいい。まずは相談してほしい」と呼び掛けた。