泡消火剤に含まれる有害物質「PFOS」とは?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍普天間飛行場から住宅地や川へ流出する泡消火剤=11日午前8時すぎ、沖縄県宜野湾市

 米軍が基地外に漏出させた泡消火剤に含まれる有害物質PFOS(ピーフォス)は、発がん性など健康リスクが指摘され日本国内では原則、使用・製造が禁止される。国際的にも規制され、日本でも米国でもPFOSを含まない消火剤に順次交換していくことになっている。だが米軍普天間飛行場では適切に交換を進めていないとみられ、2019年12月にもPFOSを含む泡消火剤が漏出したばかりだ。

 PFOSは環境中で分解されにくく、蓄積しやすい性質から「永遠の化学物質」とも呼ばれる有機フッ素化合物の一種だ。米軍基地内の泡消火剤で使用されており、16年1月には県企業局が北谷浄水場の水源で高濃度のPFOSが検出されていると公表した。発がん性や胎児の低体重、成人の生殖機能への悪影響、肥満、甲状腺疾患などの健康リスクがあるとされる。

 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約で国際的に製造・使用が制限され、国内でも一部例外を除き原則的に使用・製造が禁止される。ただ、PFOSの代替物質として普及したPFHxSも有害性が指摘され、国際的な規制が議論されている。