最後の相撲稽古に感謝込め 伊江中の島袋さん コーチらの胸を借り8年


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 【伊江】小学校1年から中学校を卒業するまで9年間、相撲に没頭した伊江中の島袋偉海(いなつ)さん(15)が、4月から中部農林高校に進学した。島を出発する前の3月28日、世話になったコーチや指導者に感謝の気持ちを込めた最後の稽古が、伊江中学校相撲場で行われた。

9年間の感謝の気持ちを込め、指導者と最後の取組に臨む島袋偉海さん(右)=3月28日、伊江中学校相撲場

 偉海さんは小学4年で全国大会に出場、昨年は部員4人で第41回OTV杯県選手権大会に出場し、伊江中は12年ぶりの団体優勝を果たした。3人きょうだいの末っ子の妹心海(しんか)さん(伊江中1年)も偉海さんの背中を追い、7歳から相撲を始めた。心海さんは、昨年8月に初めて開催された「第1回わんぱく相撲女子全国大会」(東京都)で優勝し、小学女子の初代横綱に輝いた。

 偉海さんの最後の稽古には家族や関係者が見守る中、名嘉元幹夫コーチ(33)とぶつかり稽古をし、伊江中卒の先輩や指導者と最後の取組をした。心海さんも兄と最後の立ち合い稽古をし「いなくなるのは寂しいけど、高校でも練習に励んでほしい」と話した。

 父の茂明さん(47)は「『継続は力なり』の言葉を胸に高校生活を頑張ってほしい」と語り、母の春香さん(42)は「島で支えてくれた方々や感謝の気持ちを忘れず、いろいろなことに挑戦し前進してほしい」とエールを送った。

 偉海さんは「結果を出せず苦しい時期もあったが、先輩方が一緒になって稽古に取り組んでくれた。高校では努力と感謝の気持ちを忘れず、全国や九州で活躍する選手になって島に恩返しをしたい」と決意を述べた。

 偉海さんは伊江村出身で同校相撲部の小濱寿監督の自宅で下宿しながら高校生活を送り、稽古に励む。

(金城幸人通信員)

お世話になった指導者や関係者に感謝し、4月から高校生活を送る島袋偉海さん(前列左から4人目)