新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出自粛が呼び掛けられる中、インターネットやカタログで商品を注文し、自宅まで届けてもらうネットスーパーや宅配スーパーの需要が急増している。日用品の買い物は自粛の対象にはなっていないが、外出を控え感染リスクを減らそうとする消費者心理が現れている。
サンエーのネットスーパーは3月の利用件数が前年同月比で3~4割増加。4月に入ってからは新規会員登録が1週間で100人を超えたこともあり、注文がさらに急増している。締め切り時間前にその日の注文数の上限に達し、注文を打ち切る日が増えてきた。
ネット経由の注文ニーズは急増するが、商品を届けるドライバーをすぐに確保することは難しい。「このままではお客さまに迷惑をかけてしまう」と、7日には新規の会員受け付けを停止せざるを得ない状況となった。
売れているのは保存できる冷凍食品、カップ麺、レトルト商品のほか米や水など重量のある商品。4月に入ってからはおむつなどの赤ちゃん用品も増えた。担当者は「小さな子どもがいる家庭が感染リスクを下げるために利用し始めたのでは」と推測する。
1977年から宅配サービスをしている老舗のコープおきなわも、利用量、新規組合員数とも前年に比べて増加。組合員からは「学校が休校になり、料理する機会が増えた。冷凍食品はありがたい」との声が寄せられているという。
イオン琉球のネットスーパーは離島を含め県内全域をカバーする。同社も「ここ最近は利用が伸びている」(広報担当)という。さらにニーズの高まりと多様化を踏まえ、イオン南風原店で11日から、ネットスーパー商品の「ドライブスルー」での受け取りサービスを始めた。
パソコンやスマホで24時間注文でき、仕事帰りなどに車で立ち寄ってすぐに商品を受け取れる県内初の仕組み。配送ドライバーの確保難にも対応する形だ。同社は「指定の時間帯に自宅で受け取れないという声や、遅い時間でも受け取れたらいいという要望があった」としている。