新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ニューカレドニアでは3月23に外出禁止令が出て約2週間が過ぎた。感染者は10人から18人に増えたが、ここ1週間ほど数字は変わらない。しかし、政府の特別機で海外からニューカレドニア市民が帰ってくると緊張が走る。
首都ヌメア郊外の町では夜間外出禁止令が追加された。新聞はコロナ関係の情報が中心で、毎晩ニュースで発表される感染者数に一喜一憂している。フランスでは新型コロナが猛威を振るっており、ニューカレドニアが同じ状況にならないよう厳しい統制下にある。警察と憲兵がいたるところで検閲しており、違反者には1万8千円から50万円までの罰金が科せられる。
このような状況下で、現場に行かないと仕事ができない人を除いて自宅勤務が主流となっている。ニューカレドニア教育委員会は学校が閉鎖されてからオンライン授業を実施している。もともと日曜大工が趣味の人が多いニューカレドニアでは、この機会に家の修理をしたりペンキを塗ったり、大掃除をしたりする人が多い。学校の体育教師などは、家でできるスポーツをインターネットで紹介している。少しでも日常が快適に過ごせるように多くの人が努力している。
外出は禁止されているが、例外がある。食料調達と家の近所で行う1時間以内の散歩がそうだ。買い出しに行くときは外出許可書と身分証明書を持ち、買い物リストを手に出掛ける。ヌメア市の市場が閉鎖したので週1度、郊外の市場に行く。地元農家の直接販売だが、人との距離を取るために屋内ではなく市場の外に向けて商品を陳列している。地元農家は販売先が減ったので、客に「来てくれてありがとう」と感謝する。市民も地元農家を救うために駆け付ける。
スーパーは通常通り営業しているが、営業時間が短くなった。品物に不足はないものの、以前よりは空き棚が多く見られる。入店の際は人数制限があり、手に消毒液をかけられる。身体障がい者や妊婦、60歳以上だけが買い物できる時間帯も設定している。ニューカレドニアでも、コロナウイルスとの戦いは静かに続いている。
(山田由美子ニューカレドニア通信員)