「米側対応せず 強い怒り」 宜野湾市長、防衛・外務へ抗議 泡消火剤基地外流出


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田中利則沖縄防衛局長(左)に抗議・要請文を手渡す松川正則宜野湾市長=13日、嘉手納町の同局

 【中部】米軍普天間飛行場から発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が基地外へ流出した問題で、松川正則宜野湾市長は13日、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所を訪れ、基地内への立ち入り調査を強く求めた。松川市長は「米軍は効果的な対応をすることなく、市職員が対応に追われたことに強い怒りを禁じ得ない」と訴えた。

 また「漏出事故は昨年12月にも発生し、市民の不安が払拭(ふっしょく)されない中での事故は大変遺憾だ」と指摘した。米側に(1)事故原因と再発防止策の説明(2)飛行場内にある泡消火剤の早急な交換(3)住民の安全確保と環境保全策の実施(4)土壌・河川の影響調査と結果報告―を求めた。

 那覇市の外務省沖縄事務所で対応した川村裕沖縄担当大使は「立ち入り調査を実施すべく米側に強く求めていく考えだ。あらゆる対応について検討していきたい」と応じた。

 嘉手納町の防衛局での抗議は冒頭のみ報道陣に公開された。冒頭、田中利則局長は松川市長に「(事故)原因はまだ確たる情報が得られていない。情報を収集し速やかに市に提供したい」と話した。その上で、米側には再発防止を申し入れたとし、PFOSを含む泡消火剤の交換について「速やかに強く働き掛けたい」とも述べた。

 抗議の後、基地内の立ち入り調査について松川市長は、防衛局側が「すぐ(立ち入り)とはいかない」と述べた見解を報道陣に説明した。