【記者解説】「持ち込まれるもの」から「暮らしの中にあるもの」へ 一人一人が感染リスクと隣り合わせ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されてから2カ月。感染リスクは海外から「持ち込まれる」ものから「暮らしの中にある」ものに変わりつつある。

 4月に入り県内陽性患者数の増加が著しい。3月30日から4月5日までの週は7人だったが、4月6日から12日までの週は49人。前週の7倍に上る。当初は、海外や県外への渡航歴がある人が感染する「移入例」や渡航歴のある人と接触した人が感染する例が多かったが、11日~13日の直近3日間は、同居する家族などから、特に高齢者への感染が目立つ。感染の経緯は経路不明者も多いが、患者となった家族から二次感染している事例も多い。

 県立中部病院感染症内科の高山義浩医師も「高齢者は本当に重症化しやすい。可能な限り高齢者との接触を断つ、介護施設などに必要な資材が配備されることが重要だ」と強調する。

 県保健医療部の糸数公保健衛生統括監は「せきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)感染だけでなく、触った物を介して起こる接触感染で広がっている可能性がある。こまめな拭き取りを今一度意識してほしい」と呼び掛ける。

 終息の見通しが見えない中「感染リスクと共に暮らす」状況が続く。不要不急の外出を避けることをはじめ、一人一人の心掛けが一段と重要になっている。
 (仲井間郁江)