石垣島と名護、コロナ感染初確認 本島以外にも拡大 医療体制に打撃


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 沖縄県は13日、新たに石垣市在住の2人を含む7人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。離島での患者発生は初めて。12日は名護市の30代の女性を含む9人の感染が確認されており、これまで本島中南部に集中していた感染が、本島北部や離島にまで広がった。北部、離島地域は病床数や医療従事者の少なさなど、医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さが課題となっており、地元に不安と緊張が急速に広がっている。

 2月に沖縄で初めて新型コロナ感染者が確認されて14日で2カ月となり、県内の感染者は73人に上る。このうち1人はスペインからの帰国時に成田空港で判明した。このほか、米軍嘉手納基地内での感染者が3人いる。

 石垣市で感染が確認されたのは、飲食業の20代の男性と60代の女性(職業確認中)。20代男性は、7日に症状が出始め、11日に発熱、せき、肺炎となり検査を実施した。男性は3月中旬から下旬にかけて、県外で陽性が判明した来島者と接触した。男性の発症が接触から2週間以上経過しているため、県は「ほかにも感染原因があるかもしれない」としている。現時点で県外からの「移入例」とは断定していない。

 60代の女性は4日に症状が出て11日に発熱、肺炎の症状が出て検体を採取した。石垣市の男性と女性は2人とも沖縄本島や県外、海外への渡航歴は確認されておらず、感染経路は現時点で不明という。県が調査を進めている。

 13日に陽性と発表されたそのほかの5人は、浦添市の40代女性、宜野湾市の80代男性、那覇市の30代女性、同市の40代男性、同50代男性。うち経路が分かっているのは2人で、浦添市の40代女性は10日に感染が判明した中部保健所管内在住の40代男性(会社員)との接触があり、那覇市の40代男性は11日に感染が確認された70代女性(無職)の家族だった。

 12日に感染が確認された名護市の30代女性は、7日に感染確認したタクシー運転手の接触者だった。

 そのほか12日に陽性と判明した8人は、那覇市在住の80代男性、70代男性、40代と60代の女性と、中部保健所管内在住のタクシー運転手1人含む70代の男性2人、70代の女性1人、40代女性1人。職業はタクシー運転手以外は「確認中」か「無職」。