新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、サンエー(本社・宜野湾市)、イオン琉球(本社・南風原町)の沖縄県内小売り大手は、スーパーのお買い得品などを知らせるチラシを自粛する。販売促進の呼び込みにより店内が混雑することを防ぐための措置で、両社は「お買い得品自体はこれまで通り販売する」として理解を求めている。
食料品や生活必需品を扱うスーパー各社にとって巣ごもり需要は“商機”だが、人が集まることで来店客、従業員ともに感染のリスクが高まるため積極的な集客はできない―というジレンマを抱えている。
サンエーは17日から5月6日まで食品館、衣料館、マツモトキヨシなど、運営する全店舗のチラシの配布やデジタルチラシの配信、ステージイベントを自粛する。同社は「感染を防ぐためにも、過剰な混雑を避けたい。従来通り欠品防止とお値打ち価格での販売に努めていく」と説明した。
イオン琉球はマックスバリュ、ビッグ、イオンドラッグのチラシを21日から5月10日ごろまで自粛する。大規模店のイオン各店はこれまで通り配布する。
リウボウストア(本社・那覇市)は、顧客の来店回数は減っているが、1回あたりの購入金額は増えていることを挙げ、現段階でチラシの自粛はないとした。
ユニオンを運営する野嵩商会(本社・宜野湾市)は他社の動向次第で客の集中も予想されることから、チラシの自粛については、自店舗への来客状況を見ながら「今後検討していく」とした。
タウンプラザかねひでを運営する金秀商事は「現段階でチラシの自粛はない」と回答した。