「自分の髪が役に立てば」 子どもたちがヘアドネーション


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 自らの長い髪を切って、がんや白血病、先天性の無毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どもたちに寄付するヘアドネーション。地域で、そのヘアドネーションに協力して話題になっている児童らがいる。 

 

「親子の節目に」

切った髪を手に持つ比嘉和音さん=4日、国頭村内の美容室

 【宜野座】宜野座村の石井海音介(かいのすけ)さん(11)=漢那小6年=と母親の優衣さん(39)は9日、髪の毛を医療用かつらに再利用する「ヘアドネーション」として寄付するため、長年伸ばした髪を切った。  海音介さんは3歳から優衣さんとフラダンスに取り組み、昨年7月の本場ハワイの大会でも4位に入賞した。大会を終えて「区切りがついた」とはさみを入れた。

 海音介さんは3年間、優衣さんは10年以上髪を切らなかった。優衣さんもこのほどハワイでフラダンスの師範に認定されたこともあり、親子の節目として、ヘアドネーションに協力した。

 2人は9日、読谷村の「ヘアルームボタニカ」で腰ほどまで伸びた髪にはさみを入れた。短髪にした海音介さんは「自分の髪が他の人に役立てばいい」と話した。優衣さんも「節目として気持ちを切り替えることができた」と語った。  (塚崎昇平)

「生まれた日から伸ばした髪を」

ヘアドネーションで髪を切った(左から)石井海音介さんと母の優衣さん=9日、読谷村内の美容室

 【国頭】生まれた日からずっと髪を伸ばしていた比嘉和音(あいな)さん(6)=国頭村半地=は、約83センチまで伸びた髪を、村立奥間小学校への入学を間近に控えた4日、村内の美容室で約55センチをカットした。

 母親の奈美さんと美容室を訪れた和音さんは、初めて髪を切ることにそわそわしながら心配そうな表情を見せたが、店主と会話を交わすうちにリラックスしてきた。髪を切り終えた和音さんは「すっきりした、とても頭が軽くなった」と笑顔を見せた。

 奈美さんは、娘の伸びた髪で毛筆をつくり、記念に残しておきたいと考えていた。しばらくして、テレビや新聞報道などでヘアドネーションのことを知り、髪を役に立てたいと思い、小学校入学の記念としてカットすることにしたという。奈美さんは「切った髪は、病気で必要な人々へ送り、大切に使われるよ」と和音さんへ話した。
 カットした髪は、時期をみて関係機関へ郵送する。
 (新城高仁通信員)