沖縄県と宜野湾市、防衛局も普天間基地立ち入り申請 泡消火剤の流出 土壌と水の採取求める


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
比屋良川で泡消火剤の回収作業にあたる消防士=11日午後、宜野湾市嘉数(又吉康秀撮影)

 発がん性が指摘されている化学物質PFOSを含む泡消火剤が米軍普天間飛行場から流出した事故を受け、県は14日、日米地位協定の環境補足協定に基づく基地内の立ち入り調査を沖縄防衛局を通じて申請した。県によると調査は4月内の3日間の日程で申請した。調査地点は流出事故が起きた格納庫などがある滑走路の南側区域を指定した。県は2015年の環境補足協定締結に伴って取り交わされた日米合同委員会合意に基づき、基地内での土壌や水のサンプル採取を求めた。

 県環境政策課基地環境特別対策室は立ち入り申請について「早期の立ち入り実現を求めている。地下水や土壌の汚染に関する県民の不安もあり、土や水のサンプル採取は立ち入り調査で非常に大切だ」と述べ、米側にサンプル採取を認めるよう求めた。

 米軍は、過去に米軍基地内で起きた環境汚染事故について、自治体に対し、基地内への立ち入りを認めたものの、土や水の採取は認めなかった事例もある。

 一方、宜野湾市も14日に沖縄防衛局を通して立ち入り調査を申請した。市によると17日以降の立ち入りを求め、調査の期間や場所は定めていない。

 市は現段階でサンプリング採取は予定しておらず、消火システムの作動や泡消火剤の基地外への流出などに関する状況説明などを求める予定。

 沖縄防衛局も環境補足協定に基づく立ち入り調査を米軍に申請している。